未来家計譚

高卒 ✕ 地方会社員でもできたリアル家計管理術

京都・夷川で味わう、静寂の昼鮨。寿斗 ふかがわ

地下鉄東西線の京都市役所前駅から徒歩9分。

京都の街が持つ静かな気配を感じながら、夷川通を歩いていくと、喧騒から少し距離を置いた場所に、一軒の鮨店が佇んでいます。

それが、寿斗 ふかがわです。

店内は、12席のカウンターを中心とした落ち着きのある空間。目の前の一貫に集中できる静寂と凛とした緊張感が漂っています。

この店の魅力は、いわゆる江戸前寿司という枠だけでは語り切れません。伝統を大切にしながらも、そこに独自の感性と進化を重ねていく。寿斗 ふかがわには、そんな“京都の鮨”としての静かな個性があります。

今回いただいたのは、昼のおまかせコース 9,500円(税込)です。

案内されている内容は、かつお出汁で炊いたシャリと、新鮮で上質な魚介を使った握りを楽しめるランチコース。

ここで注目したいのは、昼に9,500円という価格の意味です。

京都で本格的な鮨をいただくとなると、夜は一気に特別な価格帯へと入っていきます。その中で、昼のおまかせ9,500円という設定は、職人の技、上質な魚介、そしてカウンターで味わう緊張感を、比較的現実的なラインで体験できる入口でもあります。

それは単なるランチではありません。

昼の時間に、鮨という料理の奥行きに触れるための、ひとつの上質な体験なのです。

今回は、お口直しのガリを含む全13品の中から、特に印象に残った感動の3品をご紹介します。

 

まず一品目は、鯛の自家製千枚漬け乗せです。

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明石の鯛に、自家製の千枚漬けと数種類のお漬物を合わせた一貫。鯛の上品な旨みを、千枚漬けのさっぱりとした酸味と食感が静かに引き立てます。

ただ魚の美味しさを味わうだけではありません。

そこに京都らしい漬物のニュアンスが重なることで、ひと口の中に土地の記憶が立ち上がってくるような感覚があります。淡白でありながら、決して単調ではない。清らかで、余韻のある一品です。

二品目は、海鰻です。

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皮目はパリッと香ばしく焼き上げられ、噛んだ瞬間に濃厚な脂の旨みが広がります。この脂が、実に力強いのです。

それでいて、ただ重いわけではありません。香ばしさと脂の甘みが重なり、皿に残った脂までも、思わず残さず味わいたくなるような存在感があります。

鮨の一品でありながら、焼き物としての完成度も感じさせる、記憶に残る一皿でした。

そして三品目は、穴子です。

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これは、まさに衝撃でした。

口に入れた瞬間、ふわりとほどけ、そのまま消えていくような柔らかさ。噛みしめるというより、舌の上でほどけていく感覚です

穴子という素材の魅力を、ここまで繊細に、そして儚く表現できるのかと驚かされます。甘み、香り、温度、食感。そのすべてが一瞬のうちに重なり、そして静かに消えていく。

まさに、記憶に残る一貫です。

鮨という料理は、完成された一皿をただ受け取る料理ではありません。

目の前で握られ、置かれ、すぐに口へ運ぶ。その短い時間の中に、魚の香り、シャリのほどけ方、温度、酢の輪郭、職人の所作が重なります。

つまり鮨とは、目の前で完成していく“瞬間の料理”なのです。

寿斗 ふかがわの昼のおまかせコースは、そのライブ感を昼の京都で目の前で味わえる、非常に贅沢な時間でした。

大切な人との食事にも、自分へのご褒美にも合う一軒です。

京都らしい静けさの中で、鮨の奥行きをゆっくりと確かめる。そんな昼の過ごし方をしたい方にとって、寿斗 ふかがわの昼のおまかせコースは、非常に魅力的な選択肢になると思います。

京都の昼に、静かに贅沢を味わうなら、一度訪れてみる価値のある一軒です。

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京都で味わう、もうひとつの締めパフェ。アッサンブラージュ カキモトという大人の余韻

京都・神宮丸太町。

観光地の喧騒から少し距離を置いた、静かな街並みの中に、ただ甘いだけでは終わらない、ひとつの“デザート体験”を提示する場所があります。

それが、アッサンブラージュ カキモトです。

近年、札幌の夜を語るうえで欠かせない存在となったものがあります。

それが「締めパフェ」です。

食事を楽しみ、お酒を嗜んだあと、ラーメンではなく、冷たく美しいパフェで一日を締めくくる。そこにあるのは、単なる甘味ではありません。夜の高揚感を静かに整え、余韻を美しく着地させる、大人のための食文化です。

その感覚を、京都という街で、より静かに、より繊細に、そしてより芸術的に体験させてくれる場所。

それが、このアッサンブラージュ カキモトなのです。

ここは、単なるパティスリーではありません。

パティシエであり、ショコラティエであり、そしてキュイジニエでもある垣本晃宏シェフが手掛ける、いわば味覚のアトリエです。

チョコレート、果実、香り、温度、食感。

それぞれの要素が緻密に計算され、グラスや皿の上で、ひとつの物語として組み上げられていきます。

札幌の締めパフェが、夜の街の高揚感をやさしく着地させる文化だとするならば、アッサンブラージュ カキモトのデセールは、京都の余白の中で、味覚を深く沈めていく大人のための終章です。

今回は、アッサンブラージュ カキモトでいただく皿盛りデザートのレビューです。

営業は12時から17時まで。定休日は火曜日と水曜日です。

店内に足を踏み入れると、まず目に入るのは、生ケーキとチョコレートが美しく並ぶショーケース。そしてその向かいには、焼き菓子が端正に陳列されています。

しかし、このお店の魅力は、それだけに留まりません。

奥へ進むと、まるでバーのようなカウンターテーブルの空間が広がっています。ショーケースに並ぶケーキやチョコレートをその場でいただくこともできますが、今回は特別感のある皿盛りデザートを2皿オーダーしました。

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まず一皿目は、フューチャーミュージアム。

チョコレート、グレープフルーツ、セロリの香りを組み合わせた、税込2,530円のグラスデザートです。

チョコレートを軸にしながらも、単に濃厚さで押し切る一品ではありません。

甘味、酸味、苦味、そして香り。

それぞれが幾層にも重なり合い、そこへ温かな柑橘ソースが加わることで、目の前のデザートが静かに表情を変えていきます。

チョコレートの深みの中に、グレープフルーツの鮮烈な酸味が走り、そこへセロリの青く澄んだ香りがふっと抜けていく。

これは、食後のデザートというよりも、ひとつの小さな舞台です。

スプーンを入れるたびに展開が変わり、温度が変わり、香りが変わる。

まさに“食べ進めるデザート”ではなく、“鑑賞するデザート”と言いたくなる一皿です。

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そして二皿目は、MOMO。

桃、赤紫蘇、生姜、杏仁を組み合わせた、こちらも税込2,530円のデザートです。

カクテルグラスの中には、桃のコンポート、すももの果肉、赤紫蘇のゼリー、生姜のブランマンジュ、そして杏仁とアーモンドのお酒を使ったアイスが美しく重なっています。

ひと口目から広がるのは、桃のやわらかな甘み。

そこに、すももの酸味が輪郭を与え、赤紫蘇の香りが全体を凛と引き締めます。

さらに生姜のブランマンジュが、ほのかな刺激と清涼感を添え、杏仁とアーモンドのお酒を使ったアイスが、余韻に上品な奥行きを残していきます。

甘い。

けれど、重くない。

華やか。

けれど、派手ではない。

酸味と甘みに、紫蘇と生姜の香りが重なることで、どこまでも爽やかで軽快な口当たりに仕上がっています。

札幌で締めパフェに魅了された方なら、きっと感じるはずです。

パフェとは、子どもの頃に憧れた甘いご褒美であると同時に、大人の夜を美しく締めくくる文化にもなり得るのだと。

そして京都では、その文化が、京町家の落ち着き、ショコラティエの技術、料理人の感性によって、さらに洗練されたかたちで立ち上がります。

アッサンブラージュ カキモトは、観光の途中に何気なく立ち寄る甘味処ではありません。

ここは、わざわざ時間を作って向かうべき一軒です。

札幌の締めパフェが“夜の余韻”なら、アッサンブラージュ カキモトは“味覚の余韻”。

京都の静けさの中で、甘さの奥にある香り、苦味、温度、食感、そして構成美に触れる。

そんな大人のデザート体験を求める方にこそ、強くおすすめしたい名店です。

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フォションホテル京都で味わう、パリの余韻と京都の眺望──JCBグルメベネフィットで愉しむ贅沢ランチ

京都・河原町松原。

 

歴史の余韻が、静かに街角へ溶け込むこのエリアに、ひときわ華やかな存在感を放つ美食の舞台があります。

 

その名は、Restaurant Grand Cafe Fauchon。

 

フォションホテル京都の10階。京阪清水五条駅から徒歩約6分、阪急京都河原町駅からも徒歩圏内という、観光にも食事にも使いやすいロケーションです。

しかし、このレストランの魅力は、単なる「高級ホテルのフレンチ」という言葉だけでは語り尽くせません。

東山を一望できるホテル最上階のダイニング。天井から印象的な装飾が下がるゴージャスな空間は、一歩足を踏み入れた瞬間から、私たちをフォションの世界観へと静かに引き込んでいきます。

京都にいながら、どこかパリの空気を感じる。

そんな非日常が、ここには確かにあります。

 

今回いただくのは、ランチコース 「フォションシグネチャー」税込8,000円。

 

その名の通り、フォションというブランドの美意識と個性を、正面から味わうためのコースです。

珈琲・紅茶、パンを含む全8品。その中で、まず心を奪われた一皿がありました。

フォションホテル京都サラダ オーギュストスタイル。

これは、これまでの人生で出会った中でも、見た目、味わいともに最も印象に残るシーザーサラダでした。

京野菜、鶏ササミ、生サーモン。そこへ、あとがけのシーザードレッシングを混ぜ合わせていただきます。

ただ、それだけでは終わりません。

添えられた色とりどりのソースが、皿の上にさらなる奥行きを生み出します。ひと口ごとに味の表情が変わり、サラダという枠を超えた、ひとつの完成された料理として迫ってくるのです。

 

京都の景色。

 

ホテル最上階の華やかな空間。

 

そして、フォションが磨き続けてきた美食のエッセンス。

 

そのすべてが、ランチという限られた時間の中に凝縮されています。

さらに魚料理として登場するのが、フォション・パリでも1980年代から続くロングセラーメニューと紹介されている、フォションシグネチャーの一皿。

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クリビヤック ブールブランソース。

サーモン、ほうれん草、きのこソテー、ゆで卵などを、サクサクのパイで包み焼きにした料理です。

ナイフを入れた瞬間に立ち上がる香ばしさ。中から現れる具材の重なり。そして、ブールブランソースが全体を上品にまとめ上げます。

これは、ワインが進む一皿です。

華やかでありながら、どこかクラシック。親しみやすさがありながら、確かな気品がある。

 

つまりこれは、京都で味わうフレンチでありながら、同時にパリの記憶をたどる時間でもあるのです。

 

そして今回は、JCBカードのグルメ・ベネフィットを利用しての訪問です。

グルメ・ベネフィットは、対象レストランの所定コースを2名以上で予約すると、1名分の料金が無料になる優待サービスです。

 

もちろん、ここで大切なのは、単に「安く食べられる」という話ではありません。

本来であれば、少し背伸びをして訪れるホテルフレンチ。その特別な時間を、JCBの上質な特典によって、より自然に日常の中へ引き寄せられる。

そこにこそ、この訪問の価値があります。

京都で少し特別なランチを楽しみたい。

けれど、堅苦しすぎず、華やかで、記憶に残る時間にしたい。

Restaurant Grand Cafe Fauchonは、そんな日にふさわしい一軒です。

 

フォションのピンク。

 

東山の眺望。

 

そして、パリのエスプリ。

 

そのすべてを、京都の空の下で味わう——。

 

JCBグルメ・ベネフィットを使うなら、まさに「選ぶ価値のあるランチ」と言えるのではないでしょうか。

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ベンジャミンステーキハウス京都で味わうTボーンステーキと3ワインペアリング

京都・烏丸。
歴史と商いの気配が交差するこの街に、ひときわニューヨークの香りをまとったステーキハウスがあります。

その名は、ベンジャミンステーキハウス 京都
阪急烏丸駅から徒歩3分という立地にありながら、店内へ一歩入ると、日常の喧騒はすっと遠ざかります。食べログでは「ステーキ・鉄板焼き WEST 百名店 2025」にも選出されている一軒です。

今回、焦点を当てたいのは、ランチタイムに用意された特別なコース。

「【LUNCH】プライム熟成肉 Tボーンステーキランチステーキ400g、3ワインペアリング付き(泡・白・赤)全5品 17,800円」です。

このコースの主役は、USDA、つまりアメリカ農務省の最上級グレードであるプライムビーフ
厳重に管理され、4週間熟成されたTボーンステーキは、単なる肉料理ではありません。フィレの繊細さ、サーロインの力強さ、その二つの個性を骨付きの一皿で味わう、いわば“肉のプレゼンテーション”です。

世界のセレブリティと創業者との写真が多数飾られた壁に視線を向けつつ、2階への螺旋階段を登ります。通されたのはクラシカルなアメリカンを彷彿とさせるソファー席の個室でした。

構成は、シーザーサラダから始まります。
ロメインレタス、パルメザンチーズ、アンチョビ、シーザードレッシング。王道でありながら、これから始まる熟成肉への導入として、実に理にかなった一皿です。

続いて、2種類のパンとホイップバター。
そして、シェフ特製の季節のスープ。この日はジャガイモの冷製スープでした。
このあたりに、ステーキハウスでありながら、コースとしての流れを丁寧に組み立てる姿勢が見えてきます。

そして、メイン。
USDAプライム Tボーンステーキ 約400g。

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ここで重要なのは、量だけではありません。
熟成によって余分な水分が抜け、旨味が凝縮された肉。そこに火入れが加わることで、表面には香ばしさ、中には肉汁と旨味の密度が生まれます。Tボーンという骨付き肉ならではの迫力は、テーブルに運ばれた瞬間に、その場の空気を変える力があります。バトラーが丁寧に取り分けて貰えます。溶かしバターでミディアムレアで焼かれたサーロインとヒレは驚くほどにあっさりとした食感でした。

さらに、このコースには泡・白・赤の3ワインペアリングが付きます。また、お酒が飲めない方はノンアルコールが用意されています。
ランチでありながら、ワインとの流れまで設計されている点が、このコースの大きな魅力です。泡で気分を立ち上げ、白で前半の料理に輪郭を与え、赤で熟成肉の旨味を受け止める。これは、単に飲み物が付いているのではなく、食事全体の体験価値を引き上げる構成です。

サイドには、マッシュポテトとクリームレスクリームスピナッチ。
アメリカンステーキハウスの文脈を感じさせる、実にクラシックな組み合わせです。濃厚な肉の余韻を、ポテトがやわらかく受け止め、スピナッチ(ほうれん草)が次の一口へと整えてくれます。

締めには、本日のデザート。
そして、イリィ特選コーヒー、またはマイティーリーフのダージリンティー。
肉の余韻を残しながら、最後は静かに着地する。ランチでありながら、ディナーに近い満足感を備えた流れです。

17,800円という価格は、日常のランチとしては決して軽くありません。
しかし、プライム熟成肉、Tボーンステーキ約400g、バトラーによる手厚いもてなし、そして3杯のワインペアリングまで含まれることを考えると、これは“食事”というより、昼の時間を使った大人の体験投資と言えます。

記念日。
大切な人との京都ランチ。
あるいは、自分への節目のご褒美。

そうした日に、このコースは非常に強い選択肢になります。

京都の昼に、熟成肉の重厚感とワインの余韻を楽しむ。
ベンジャミンステーキハウス京都のこのランチコースは、まさに、昼から始まるラグジュアリーな物語です。

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昼の南草津に、小さな非日常を。「情熱ホルモン」で楽しむ七輪ランチ

JR南草津駅東口から徒歩5分。

滋賀県草津市野路に暖簾を掲げる「南草津酒場 情熱ホルモン」は、その名からは夜の喧騒と熱気を想起させながらも、実は真価の一端を昼にこそ感じさせてくれる一軒です。

ホルモン、焼肉、居酒屋──。

その三つの表情を併せ持つこの店は、ランチタイムになると、肩肘張らずに楽しめる気軽さのなかに、確かな満足感と小さな昂揚を巧みに忍ばせてきます。ただ食事をするだけでは終わらない。そんな“体験としてのランチ”を、実に自然体で差し出してくれるのです。

昼営業は11時30分から15時まで。

駅から近いという利便性もあり、「今日は少しだけ、しっかり食べたい」──そんな日に、この店は実に頼もしい存在になります。ひとりでも気兼ねなく入れる間口の広さがありながら、席についた途端、日常のリズムがわずかに変わる。そんな予感を漂わせる空気があります。

今回は、「情熱ホルモン定食 」1,089円(税込)のレビューです。

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5種のお肉を七輪で焼きながら、ごはん、スープ、キムチ、ミニサラダまで付く定食構成。しかもごはんはサイズ変更無料です。価格だけを見れば親しみやすいランチです。しかし実際に体験してみると、その中身は想像以上に立体的で、食べ進めるごとに満足感が静かに積み上がっていきます。

この店のランチが印象に残る理由は明快です。

それは、昼の食事でありながら、“焼く楽しさ”をきちんと主役に据えていることです。目の前の七輪で肉が焼ける音、立ちのぼる香ばしい煙、じわりと食欲を刺激する脂の香り。その一つひとつが、慌ただしい日常のなかで少し鈍くなりがちな感覚を、鮮やかに呼び覚ましてくれます。

焼き上がった肉を頬張り、白ごはんを追いかける。

そこへ生ビールを流し込めば、昼であることを一瞬忘れるほどの解放感が生まれます。それは決して大げさな贅沢ではありません。しかし、こういう時間こそが、人の気持ちを確かに整えてくれるのだと思います。手頃であることと、満たされること。その両立は、案外むずかしい。けれどこの店は、それを実に軽やかにやってのけます。

南草津で、価格以上の満足感と、ほんの少しの非日常、そして食事がもたらす確かな高揚感を求めるなら、「南草津酒場 情熱ホルモン」は十分に選ぶ理由のある一軒です。

昼の街に、こんなにも熱を帯びた時間がある──そのことを、静かに教えてくれる店です。

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【2026年4月再訪】ホテルボストンプラザ草津びわ湖「リバティー」プレミアランチコース実食レビュー

2026年4月再訪。

草津駅前という、きわめて利便性の高いロケーションにありながら、一歩足を踏み入れた瞬間、日常の景色が静かに切り替わる──。

ホテルボストンプラザ草津びわ湖の「オールデイダイニング リバティー」は、まさにそんな一軒です。

開放感あふれる吹き抜け、そしてアメリカントラディショナルを基調とした端正なインテリア。

カジュアルでありながら、どこか自然と背筋が伸びる。ホテルダイニングならではの品格と心地よさが、この場所には確かに息づいています。

そんなリバティーで、春という季節を優雅に味わわせてくれるのが、

「春のプレミアランチコース 〜シェフが奏でる特別なランチコース〜」税込3,500円です。

提供期間は2026年3月1日から5月31日まで。

さらに、1日10食限定、前日12時までの事前予約制という条件が、このコースにほどよい特別感を添えています。

予約はホームページからスムーズに行えますが、人気の高さもあって、1週間前の段階ではすでに埋まっていることもあります。

また、店内ではサラダバイキング付きの通常ランチを楽しまれる方も多いため、落ち着いた時間と席をしっかり確保したいなら、来店時間も含めて余裕を持って予約しておきたいところです。

このコースの幕開けを印象づけるのは、カクテルグラスの中にまるでシャボン玉のように煙を閉じ込めた、演出性の高いノンアルコールの食前酒です。

そして続くのが、3段のティースタンドに美しく盛り付けられた季節の前菜。

その姿は、まるでアフタヌーンティーのような華やかさをまといながら、同時にホテルシェフの繊細な感性を静かに物語っています。

食事でありながら視覚でも魅了してくれる──。

これは単なるランチではありません。春という季節を一皿ずつ丁寧に味わう、まさに“小さな非日常”です。

今回は、デザートと珈琲・紅茶を含む全9品の中から、特にリピートしたくなった2品をご紹介します。

 

1.カニライスのイカマリネ季節の野菜

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前菜の一皿です。

やわらかな甘みをまとったイカが実に印象的で、見た目の美しさと味わいの完成度がきれいに重なり合う一品でした。ひと口目から、このコースの世界観を鮮やかに伝えてくれます。

 

2.真鯛のポワレ 紫蘇チーズ焼き

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カリッと香ばしく焼き上げられた真鯛の皮目がまず印象に残ります。

そこに重なるクリームソースがまた見事で、思わずパンで最後まで丁寧にすくって味わいたくなるほど。上品さと満足感をしっかり両立した、完成度の高い魚料理でした。

記念日や女子会、自分へのご褒美。

料理の提供テンポも良く、ご夫婦やカップルで過ごす、少し贅沢な昼の時間にもふさわしいコースだと思います。

日常のランチを、ほんの少し上質な時間へと引き上げてくれる。

草津の春に、ホテルシェフが奏でるプレミアなひととき──それが、この「春のプレミアランチコース」です。

魚料理と肉料理の両方を楽しめる構成でありながら、税込3,500円という価格に着地している点も見事です。

その満足感は、単なる“コストパフォーマンスの良さ”という言葉だけでは片づけられません。

リバティーの「春のプレミアランチコース」は、まさに“価格以上の余韻”を楽しむためのランチ。

食後に残るのは満腹感だけではなく、春をひとつ味わい切ったような、静かで豊かな余韻なのです。

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【2026年4月再訪】栗東・ラ・リベリュール。記憶の奥に残る、小さなフレンチの幸福論

2026年4月再訪。

滋賀県栗東市安養寺。

JR草津線・手原駅から徒歩10分ほど。日常の喧騒から少しだけ距離を置いた場所に、ひそかに佇むフランス料理店があります。

その名は、La Libellule──ラ・リベリュール。

フランス語で「トンボ」を意味するこの店名には、幸福を願うモチーフ、そして前へと進む縁起の良い存在という想いが込められています。

店内は、わずか6席のカウンターと、掘りごたつ席を備えた小さな空間です。

決して大きなお店ではありません。けれど、その小ささが、料理人の目線、空気の温度、そして一皿ごとの余韻を、より濃密なものにしてくれます。

予約は電話で行います。

席数が限られているため、予約が埋まっていることもしばしばあります。訪問を考える際は、候補日を複数用意して電話をされると安心です。

 

今回のランチは、魚料理と肉料理の両方を楽しめる「お昼のおまかせコース」税込7,260円。昼の時間に、本格的なフレンチをしっかりと堪能できる内容です。

デザートと珈琲・紅茶を含む全9品の中から、特に心に残った3品をご紹介します。

 

1. 人参のムース 柑橘ジュレのせ

まず心をつかまれたのが、人参のムースです。

クリーミーでなめらかなムースに、甘酸っぱい柑橘のジュレが重なります。

その瞬間、味覚が静かに目を覚ますような感覚があります。

普段の食事ではなかなか体験できない、繊細で華やかな味わいです。

まるで味覚が、日常から非日常へと静かに連れ出されるような感覚です。

「ああ、今日は特別な時間が始まったのだ」と、──そう思わせてくれる、コースの幕開けにふさわしい一皿でした。

 

2. ホタテのガーリックバター焼き

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これはもう、静かな衝撃です。

香ばしく焼かれた小ぶりなホタテに、ガーリックバターの豊かな香りが重なり、口の中で旨みが一気に広がります。

あえて親しみやすく表現するなら、サイゼリヤの「ムール貝のガーリック焼き」を思い起こさせる方向性があります。

けれど、ここで展開されるのは、そのはるか先にある大人の味わいです。

違いは、余韻です。

そして、ワインとの距離感です。

料理が単体で完結するのではなく、グラスの中の一杯と出会うことで、さらに奥行きを増していきます。

手元には、ソムリエセレクトのオレンジワイン。

ガーリックの香り、ホタテの甘み、バターのコク、そしてワインの複雑なニュアンス。

それらが重なった瞬間、テーブルの上に小さな祝祭が生まれます。

これは、ただのガーリックバター焼きではありません。

ワインと出会うために設計された、非常に幸福な一皿です。

 

3. 鱧のソテー ポルチーニソースとトリュフ

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そして、今回のコースで最も深く心に残ったのが、鱧のソテーでした。

鱧という繊細な魚に、香り高いポルチーニソース。

そこへ、ビネガーの効いた焼き茄子が寄り添います。

さらに、トリュフの香りが静かに立ち上がる。

この一皿は、要素を分解して味わう料理ではありません。

鱧、ソース、焼き茄子、トリュフ。

すべてを一緒に口へ運び、ゆっくりと咀嚼することで、初めて完成する料理です。

噛むほどに、味が立ち上がる。

香りが広がる。

酸味が輪郭をつくる。

旨みが静かに沈んでいく。

そして、そこにワインを合わせた瞬間、時間の流れが少しだけ変わります。

幸福とは、何か大げさなものではなく、こういう瞬間のことを言うのかもしれません。

一皿と一杯が出会い、食べ手の記憶の中に、静かに残っていく。

その余韻こそが、ラ・リベリュールの真骨頂です。

 

そして、ラ・リベリュールを語るうえで忘れてはならないのが、ドリンクの存在です。

ソムリエであるシェフの奥様により、フランスを中心としたボトルワイン、グラスワイン、シャンパーニュに加え、ノンアルコールアペリティフ、宇治茶、果実ジュースまで幅広く揃えられています。

アルコールを楽しむ方も、そうでない方も、それぞれのスタイルで料理とのペアリングを楽しめる。

この懐の深さも、ラ・リベリュールの大きな魅力です。

ただし、今回は日曜日の訪問。

お子様の保育園のご都合もあり、奥様はご不在でした。ペアリングのワインを選ぶ時間を楽しみにしていた私としては、次回はその点も踏まえて訪問したいところです。

 

ラ・リベリュールは、ただ食事をする場所ではありません。

素材と真摯に向き合うシェフの誠実さ。

小さな店内に流れる、静かで温かな空気。

そして、料理を通じて、大切な人と過ごす時間の価値を思い出させてくれる場所です。

忙しい日々の中で、私たちはつい、食事を「済ませるもの」として扱ってしまいます。

けれど、この店に来ると、食事とは本来、時間を味わう行為なのだと気づかされます。

栗東で、少し背筋が伸びるフレンチを。

けれど、決して肩肘を張りすぎない幸福な時間を。

ラ・リベリュールの一皿の先にあるのは、満腹感だけではありません。

記憶に残る体験。

また訪れたくなる余韻。

そして、日常へ戻ったあとにも、ふと心を温めてくれる小さな光です。

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