未来家計譚

高卒 ✕ 地方会社員でもできたリアル家計管理術

草津スパニッシュバルプロモ──“隠れ家バル”で異国の夜に迷い込む

草津駅から、徒歩5分足らず。
たったそれだけの距離で、日常は──ふっと、異国にすり替わります。

外からは店の気配がほとんどしない三角柱の雑居ビル。視線を上げても、確信は持てない。
それでも、人は“知っている場所”へ吸い寄せられるものです。2階にあるのが 「スパニッシュ バル プロモ」。
ここは、草津の街角に紛れた「小さなスペイン」です。

入口はどこか頼りない。
正面なのか裏口なのか分からない、看板横の勝手口のような扉。エレベーターか非常階段で2階へ。上がってしまえば導線は明快で、迷うことはありません。
──むしろ、この“分かりにくさ”こそがいい。人気店がわざわざ隠れている。その事実が、期待を上げていきます。

扉の先は、薄暗い18席ほどの空間。
陽気な音楽が空気を弾ませ、店内モニターではサッカーが流れ続ける。
耳と目と匂いで、現実の座標が少しずつズレていく感覚があります。
そして、その熱を支えるように、女性スタッフさんが元気よく店内を駆け回る。混雑すら、ここでは“活気”という名に変わります。

この店の作法がひとつあります。
パエリアのように時間がかかる料理は、最初にまとめて頼んでおくこと。
そうすると、忘れた頃に“最高の頃合い”でやってくる。
コースはありません。だからこそ、ひと皿ひと皿が「自分で選ぶ物語」になります。

今回は注文した6品のなかから、リピート確定の3品を。

1. パエージャ・マリネーナ(Mサイズ)

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スペイン料理の王道、魚介のパエリア。
魚介のだしを、やや芯を残した米が吸い込んでいく──その設計が見事です。
コクがあり、香りが立ち、ひと口ごとに海が近づく。
今回はお腹が膨れてきた終盤に登場しましたが、関係ありません。
気づけば夢中で、皿は静かに空になっていました。

2. 牛モツのピリ辛トマト煮込み

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「ありそうで、なかった」ホルモンのトマト煮込み。
豆とオリーブも一緒に煮込まれていて、トマトソースはピリ辛。
ワインにもバケットにも、容赦なく寄り添ってきます。
一皿の中で“つまみ”と“料理”を両立してしまう、危険な美味しさでした。

3. ハモン・セラーノ(左)

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クセのない、とろける脂が魅力の白豚の生ハム。
熟成の力で旨みが凝縮され、噛むほどに輪郭が濃くなる。
派手ではない。けれど、確実に記憶に残る。
こういう一皿がある店は、強いです。

 

平日でも、オープンから予約客で満席。
調理とフロアを 2名で回している のには驚きました。
それでも店が回るのは、段取りと集中があるからでしょう。ここには、プロの呼吸があります。

今回は1軒目としてしっかり食事をいただきましたが、真価が出るのはむしろ 2軒目・3軒目。
気の合う仲間とタパスをつまみ、会話を肴にお酒を重ねる。
この店は「食事」だけでなく、「時間」を提供しているように思えます。

そして、初めてのシェリー酒。
ワインに比べると辛口でも食事との相性が難しく、主役になりにくい印象でした。
その一方で甘口は、デザートの代わりにすっと寄り添う。
食後酒として迎えると、夜がきれいに閉じていきます。

深夜まで営業しており、草津でこんなふうに“旅の続き”ができる場所は貴重です。

日常のテンションのまま扉を開けて、
気づけば、異国の熱に肩を預けている。
そんな夜が欲しくなったら──ここに寄港してみてください。

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“特別な日にしてしまう店” 大津リストランテ ラーゴ昼の物語

大津駅から琵琶湖方面へ徒歩10分ほど。
国の登録有形文化財・旧大津公会堂の1階に確かな存在感で佇むイタリアンがあります。
その名は「リストランテ ラーゴ」。

扉の向こうに広がるのは、滋賀という日常の座標から、ふっと一歩ずれた世界です。
歴史ある洋館の空気は、どこか異国の温度をまとい、ここだけ時差を抱えているような趣きがあります。
入口は1階に2カ所。お店は西側の入口から、物語のページをめくるように足を踏み入れました。

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今回いただくのは、K.T〜おまかせ〜コース(税込7,700円)。
ランチでこの“おまかせ”を選べるという時点で、すでに胸が高鳴ります。

イタリアンのお店は数多くあれど、滋賀で「コースのみ」という潔いスタイルを貫く店は珍しい存在です。
選択肢を増やすのではなく、体験の密度を上げる。その覚悟を、私は料理が運ばれる前から感じていました。

ランチ営業時間は11時30分から14時まで。
トイレは施設の都合で店内入口の外にあります。
オペラが流れるフロアでは若い女性スタッフお二人が、無駄のない動きでテキパキと応対されていました。
この滑らかなオペレーションが、“今日のコースは信頼していい”という無言のサインのようにも思えます。

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パン、デザート、食後のコーヒー・紅茶まで含めた全10品。
その中でも、私の記憶に深く刻まれた“感動の1品”をご紹介します。

人参のスプーマ

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人参のムース。
コンソメのジュレソース。
そしてイクラ。

一見すると、静かな構成です。
しかし口に運んだ瞬間、景色が変わります。

人参のやさしい甘みが、コンソメの旨味によって輪郭を与えられ、
そこへイクラの塩味と弾ける食感が、決定的な一打を入れてくる。

“素材が語り合い、最後に握手を交わす”。
そんな完成の瞬間が、一皿の中にありました。
派手さを控えながら、余韻で勝負する。
この静かな強さに、私は完全に心を奪われました。

 

私がイタリアンのランチコースで比較できるのは、リッツ・カールトン京都の「ラ・ロカンダ」くらいですが、
ロケーションとスマートなおもてなしの質感は素晴らしく、“特別な食事を特別な記憶に変える力”が、ここには確かにあります。

調理もまた、食材の良さを無理に装飾せず、
最適な角度で光を当てるような手法が中心でした。
素材に敬意がある料理は、食べる側の心を静かに整えてくれます。

さらに、ドリンクメニューには女性ソムリエ厳選のグラスワイン3種ペアリングが用意されており、
料理の流れに“もう一段の物語”を重ねる楽しみがありました。

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決してカジュアルではない緊張感はあります。
ただし、それは“堅さ”ではなく“丁寧さ”の空気です。

そしてフレンチのコースとは違い、
パンに加えてパスタが2種登場する構成。
美味しさの高揚と、満腹という現実的な幸福が、
同じ地点に着地していくのが心地よい。

このランチは、
「文化財の空気」と「料理の誠実さ」と「サービスの温度」が同じ一句を紡いでいくような体験でした。

特別な日を祝うための場所というより、
“特別な日にしてしまう場所”。

そんな一軒です。

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リッツカールトン京都「ザ・バー」──紅葉とジャズに包まれる夜

わざわざ打合せで使う場所ではない。
その“正しさ”は、私も理解していました。

それでも私は、マリオットボンヴォイ会員としてのポイント利用という甘美な誘惑に屈したのです。


合理性よりも、体験価値。


平凡な一日を、非凡な一夜へ変えてしまう力が、このホテルにはあります。

クライアントとの打合せ開始は18時。
この時間はロビーラウンジが使えないため、舞台は自然とバーへ移ります。

今回は、リッツカールトン京都の「ザ・バー」利用レビューをご紹介します。

バーの利用は17時からで、曜日によって閉店時間が変わります。
そして金曜日のこの日は、3回の生バンドによるジャズ演奏。それはBGMではなく、時間そのものを“格上げ”する演出でした。
ドレスコードはカジュアルエレガンス。
ただ、周囲を見渡せば、特に宿泊客と思われる外国人はそこまで気にしていない様子。
格式と自由が同居するこの空気感こそ、リッツの流儀なのかもしれません。

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夕暮れのリッツカールトン京都は、紅葉と溶け合い、昼間よりも深い陰影をまといます。
入口までの通路はライトアップされ、入口脇にはクリスマスツリー。
秋の余韻と冬の気配が、同じフレームに収まる──その瞬間、季節が静かにひとつ先へ進むのを感じました。

自動扉を抜けると左手にコンシェルジュデスク。
右手の通路を進むと、縦格子の壁に阻まれます。

──しかし、それは“壁”ではありません。
壁一面が自動扉となっており、初見では入口が分からない仕掛け。
この小さな迷いが、むしろ心地よい。
ここから先は、日常のルールが通用しない領域です。
そう告げられているようでした。

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通路脇のソファでクライアントの到着を待ちます。
ソファテーブルには生花。
間接照明が浮かび上がらせる装飾壁。
そして、リッツカールトン特有の香り。
仕事のために来たはずなのに、
心の方が先に“別世界”へチェックインしてしまう。
そんな感覚がありました。

クライアントと合流し、通路正面突き当たりの受付へ。
イタリアンの「ラ・ロカンダ」と同じ入口のため、バー利用を告げると、スムーズに席へ案内されます。

18時からバーを利用する客はまだ少なく、
今回は一番奥のソファ席。
上着を預け、やや硬めのソファに身を委ねた瞬間、肩書きが少しだけ軽くなる気がしました。

目の前にはバーメニューとラウンジメニュー。
食事の提供も可能なようです。
今回は、つき出しで提供される驚くほど美味しいナッツと、2種のドライフルーツでお酒を楽しむことにしました。

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やがて19時30分。
ジャズバンドの演奏が始まると、空間の温度が変わります。
その頃には宿泊客と思われる外国人が席を埋め、
バーは“夜の顔”を完成させていました。

仕事の話はほどほどに、プライベートの話が熱を帯びていきます。
そして不意に、ゴルフを始めるよう勧められました。
この場所は、商談の結論より、人間関係の余白を育てるのが上手い。
そう感じさせる瞬間でした。

帰りは席で会計を済ませ、演奏する生バンドを横目に受付で上着を受け取り解散。
最後の最後まで、時間のリズムを乱さない所作が続きます。

薄暗い店内と、計算された光の演出。
押し付けのない上質なサービス。

この場所は、
“打合せの効率”のためではなく、
“人生の密度”のために存在しているのかもしれません。

次は仕事ではなく、もっと大切な人と。
もっと守りたい夜のために。

私は、再訪を心に決めました。
静かに、しかし確信を持って。

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土鍋ご飯に心を掴まれる。草津「滋味康月」お昼の風コースで知るグルメの原点

草津駅から徒歩5分足らず。

滋賀では珍しいテナントビルの地下へと降りていきます。エレベーターか、やや急な階段を降りたその先に、静かに灯りをともす和食の名店があります。

 

私にとって、グルメの原点──「滋味康月」です。

 

ここで初めて体験した「食の感動」が、私の価値観を大きく変えました。

それ以来、両親やお世話になった方をお招きする、いわば“勝負どころ”の店として、節目ごとにこの暖簾をくぐってきました。

そして今回。

異動という一つのターニングポイントを迎え、6年ぶりに康月を訪れることにしました。

 

6年ぶりの扉を開ける

 

これまでは夜のみの利用でしたが、「お昼が特に人気」という話を何度も耳にしていました。半ばあきらめにも近い気持ちで、ダメ元のつもりで電話をかけてみると──

 

「ご希望の日、空いておりますよ」

 

そう言われた瞬間、胸の奥で小さなスイッチが入るのを感じました。

“6年ぶりの再会”を果たすのにふさわしい舞台が、自然と整っていくような感覚です。

かつては「お昼は半年待ち」というイメージが強く、予約困難な印象がありましたが、コロナ以降は状況も落ち着き、以前ほどの混雑ではないとのことでした。

なお、お昼の時間はクレジットカード決済が利用できず、支払いは現金のみです。

特別な時間を台無しにしないためにも、財布の中身だけは事前にしっかり整えておきたいところです。

 

今回は、デザート・茶菓子・珈琲まで含めて全12品構成の「お昼の風コース」(税込7,150円) をいただきました。

全てが美味しいその中から、心を深く揺さぶられた3品を、あえて絞ってご紹介します。

 

 

1.八寸 ─ 季節と「帰ってきた自分」を告げる一皿

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最初に供された八寸は、まさに“季節の縮図”のような一皿でした。

一つひとつの品が小さな物語を持ち、味わうごとに食感、香り、余韻が変わっていきます。

薄いグラスでいただくエビスビールを合わせた瞬間、ふっと肩の力が抜けました。

 

「ここまで戻ってくることができた」

 

仕事の環境が変わり、日々のリズムも揺れ動く中で、変わらずこの場所があり、変わらずこの八寸が“再会の挨拶”をしてくれる。

その事実が、ひとつのご褒美のように感じられました。

安心感と、これから供される料理への期待感。

その両方を一皿で同時に膨らませてくれるのが、康月の八寸です。

 

2.鰆の西京焼き ─ 火入れが物語る職人の矜持

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続く主役級の一皿が、鰆の西京焼きです。

 

脂ののった皮目はパリっと香ばしく、

箸を入れると、身は驚くほどふわりとほどけていきます。

「焼き」というシンプルな調理法だからこそ、

火入れのわずかな差で印象が変わります。そのギリギリのラインを、迷いなく越えて仕上げてくるあたりに、職人としての矜持を感じます。

そして、ここからが康月らしいところです。

添えられた蜜柑、干柿の天ぷらと合わせることで、口の中の世界が一変します。

柑橘の爽やかさ、干柿の濃厚な甘みが折り重なり、ひとつの皿の中で何度も「味の転調」を楽しめます。

和食の枠を逸脱することなく、しかし想像を軽々と超えてくる。

この瞬間、「ああ、自分はやはりこの店の料理が好きだ」と、改めて心の中でうなずいていました。

 

3.白ご飯とご飯のアテ6種 ─ シンプルの極みが、一番贅沢

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今回のコースでも、やはりもっとも胸を打たれたのは、土釜(おくどさん)と土鍋で炊いた白ご飯と、ご飯のアテ6種でした。

土鍋の蓋が開いた瞬間に立ち上る湯気。

粒が立った白いご飯の輝き。

視覚だけで、すでに勝負がついているような説得力があります。

ひと口、口に運んだ瞬間、

「ご飯そのものがご馳走である」という、当たり前でいて忘れがちな真理を、強烈に思い出させてくれます。

噛むほどに甘みが増し、気づけば無心でかき込んでいました。

おかわりも可能で、おこげを楽しんだり、卵かけご飯にしてみたりと、ひとつの土鍋から何通りもの“幸せな締め”を作ることができます。

華やかな料理の数々を締めくくるのが、“ただの白ご飯”。

しかし、その“ただの”を極め切ったとき、ここまで心を動かせるのか──。

康月の凄みを、改めて思い知らされる一皿でした。

 

初めての康月で、価値観が変わった夜

 

私が初めて康月を訪れたのは、まだ今よりもずっと経験値の少なかった20代の頃です。

カウンターの向こうには、やや強面の初代店主。

緊張で背筋を伸ばしながら、その包丁さばきをただ黙って追いかけていました。

やがて、目の前に料理が並び始めます。

最初の一口を含んだ瞬間、全身がゾクッと震えました。

「家庭では、絶対に再現できない」

そう確信させるレベルの仕込みと、繊細な味の設計。

“食事”という日常的な行為が、一気に“体験”へと昇華していく。その境目を、康月は鮮やかに超えてきました。

この夜が、私にとっての「食のターニングポイント」でした。

それ以来、人生の節目や、感謝をきちんと伝えたいタイミングで、私はこのカウンターに戻ってきます。

 

カウンターの特等席で聞いた、康月の哲学

 

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今回は、店主が調理される真正面のカウンター席。

包丁の音、鍋の音、火の加減。全ての「仕事」が、ライブでこちらに届きます。

合間に伺った話が、どれも印象的でした。

「同じ銘柄のお酒でも、どこから仕入れるかで味が変わるんですよ」

ラベルだけでは見えない、扱い方や保管環境の違い。

その“見えない差”まで把握したうえで、その日の料理とゲストに合う一本を選ぶ。そこに、プロとしての視点と責任感を感じました。

食材は、滋賀の契約農家から仕入れたものを中心に構成されています。

さらに、「洋食にならないように」という哲学のもと、乳製品やオリーブオイルは使わず、あくまで“和食であること”にこだわっているそうです。

表面的な華やかさではなく、

「どんな料理でありたいか」という軸が、明確に通っている。

その姿勢が、皿の上にそのまま表現されているように感じました。

 

炭火焙煎の珈琲で締めくくられる、大人の余韻

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オプションでお願いした珈琲も、康月らしい一杯でした。

焙煎度合いを指定し店主自ら炭火で焙煎し、豆の風味そのまま試食した後にその場で挽き、ペーパードリップしてくださいます。

雑味のないクリアな味わいと、立ち上る香りの高さは、和食のコースの余韻を壊すどころか、むしろ静かに引き延ばしてくれるような存在でした。

最後の一滴まで飲み干したとき、ふと「またここに戻ってこよう」と自然に思える。

それは、満腹感ではなく「満足感」がしっかりと残っている証拠だと感じます。

 

感謝を“言葉以上の形”で伝えたいときに選ぶ店

 

両親をねぎらいたいとき。

お世話になった上司に、きちんと感謝を伝えたいとき。

あるいは、自分自身の節目にケジメをつけたいとき。

そんなタイミングで、真っ先に頭に浮かぶのが康月です。

ここは、ただの「お気に入りの和食店」ではありません。

私の中で、「食を通じて、誰かと真剣に向き合うための場所」として存在しています。

派手さはないかもしれません。

しかし、積み重ねてきた技術と美意識、そして静かなこだわりで組み立てられた一皿一皿が、人生の“大事な場面”を、いつもそっと後押ししてくれます。

滋賀で、感謝をまっすぐ届けたいとき。

私はこれからも、康月のカウンターを思い浮かべるのだと思います。

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2025年末までの美味なる記憶──草津「ロンロガレージ」で味わう肉とワインのドラマ

草津駅を近鉄百貨店側に出て、人の流れを横目に北へ徒歩7分。

ふと視界がひらけると、真新しいテナントビルがスタイリッシュに並ぶ一角が現れます。

その階段をそっと上がった2・3階。街の喧騒から少しだけ切り離された場所に、ひっそりと灯りをともす隠れ家「ロンロガレージ」があります。

ここは、自家製加工肉──シャルキュトリーを武器に、肉好きとワイン好きの心をわし掴みにしてきたお店です。

以前アラカルトで訪れた際、あまりに衝撃的で、「これはコースでもう一度向き合いたい」と強く思わされました。今回は、その“答え合わせ”のような気持ちで、念願のランチコースに挑みます。

 

ところが......。

公式インスタグラムには、店主の独立による「閉店予告」というまさかの一文が。

今の「ロンロガレージ」を味わえるのは、2025年12月末までというタイムリミットが刻まれていました。

寂しさと同時に、来年には同じ草津駅最寄りでカジュアルフレンチとして再出発されるという、前向きな宣言も伺えました。

“この味とは、必ずどこかでまた再会できる”──そう思うと、今回のランチは「別れ」と「再会」のプロローグが同居する、特別な時間になりました。

 

予約は電話、もしくは公式インスタグラムのDMから。特にランチは1人営業されているので、予約が必要です。

昼下がりから堂々とワインを楽しめるランチコースが用意されているのも、大人のご褒美時間としては嬉しいところです。

今回は、デザートとパンを含め全7品の「シェフのおまかせコース税込4,950円」の中から、特に「心を鷲掴みにされた3品」をご紹介します。

 

1.自家製加工肉盛合せ

 

──一皿の上で、五つの物語が同時に始まる

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この店の真骨頂ともいえる自家製加工肉の盛合せです。

5種それぞれがまるでキャラクターの異なる登場人物のようで、一口ごとにシーンが切り替わっていきます。

そのまま味わうと、素材の力と技術の精度がダイレクトに伝わり、カラシを添えると香りと輪郭が一段と立ち上がる。

そこにワインを重ねると、モノクロだった世界が一気にフルカラーへと変わっていくような感覚になります。

特に印象に残ったのがパテ。

しっかりとした肉の密度感と、口に入れた瞬間にほどけていくような口溶けのコントラストが見事で、「これが自家製の本気なのか」と思わず唸ってしまいました。

その存在感はすでにメイン級です。

 

2.椎葉牛モモ肉のステーキ バジルマッシュルーム添え

 

──ブランドではなく、哲学で選ぶ一枚

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肉料理の主役として登場したのは、あえて近江牛ではなく「椎葉牛」のモモ肉。

店主いわく、「有名だからではなく、自分が本当に“美味しい”と思う肉を出したい」とのこと。

その言葉どおり、皿の上にはブランド名に頼らない“意思ある一枚”が横たわっていました。

分厚く切り出されたステーキは、フォークを入れた瞬間に火入れの良さが伝わってきます。

中心までじんわりと熱が通っていながら、繊維はほろりとほどける。

噛み締めるたびに旨みがじわっと広がり、脂で押してくるのではなく、「赤身の力」で勝負している印象です。

脂身は控えめでありながら、満足感はしっかり。

食後に重さが残らず、むしろもう一口を欲してしまう──そんな“理性的な贅沢”を感じるステーキでした。

 

3.モンサンミッシェル産ムール貝のワイン蒸し

 

──一杯のスープが、旅の記憶を呼び覚ます

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フランス・モンサンミッシェル産の小ぶりなムール貝を、パセリと白ワインだけで蒸し上げた一皿。

余計なものをそぎ落としたレシピだからこそ、素材に対する信頼と自信が伝わってきます。

口に含むと、サイズ以上の旨みが押し寄せてきます。

ミネラル感と貝の出汁が凝縮されたスープは、最初はやや塩味が強く感じられましたが、水をふたさじ加えると一気に味の輪郭が整い、そこからはもう止まりません。

気がつけば、スープは一滴残らず飲み干していました。

まるで、旅先のビストロで“偶然出会った一杯”のような、記憶に残るワイン蒸しです。

 

お肉とワインが好きなら、「今」のうちに

 

お肉とワインが好きな方であれば、「ロンロガレージ」は一度は訪れてみていただきたいお店です。

特にシャルキュトリーは、見た目こそシンプルで派手さはありませんが、一口かじるたびに「地味さ」と「凄み」が反転します。

その奥行きのある旨みに、自分の味覚が試されているような感覚さえ覚えます。

こちらのお店で出会ったスペイン産ワイン、

「オクステ ザ サイレンス レッド ブレンド」とのペアリングは、個人的に忘れがたい体験でした。

グラスを傾けるたびに、シャルキュトリーの表情が変わり、ワイン側のニュアンスもまた少しずつ姿を変えていく──まさに“対話するペアリング”です。

この品揃え、このクオリティ、この世界観でシャルキュトリー盛合せを提供できるのは、「ロンロガレージ」だけだと店主は語ります。

2025年12月末までという限られた時間の中で、この“物語のワンシーン”に立ち会えるかどうかは、私たち次第です。

ワインと肉をこよなく愛する方へ。

ぜひ一度、階段を上がって、この隠れ家の扉を開けてみてください。

きっと、グラスと一皿の向こう側に、小さな感動と忘れがたい余韻が待っています。

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「リボ200万円からの脱出」──手数料地獄を断ち切り、複利を味方にするまでの話

気がつけば、私の未来が、静かに金利に切り売りされていました。

分割払いやリボ払いという「後払いシステム」は、一見すると家計の負担を和らげてくれるスマートな仕組みに見えます。
しかしその実態は、ショッピングの予算感覚をじわじわと狂わせていく、かなり中毒性の高い“魔法”です。

 

リボ200万円に気づいた夜

きっかけは、何気なく申し込んだポイントキャンペーンでした。
「今ならポイント◯倍」「リボ設定でさらにおトク」──よくある案内に背中を押されるように、深く考えずリボ払いを設定してしまったのです。

しかも追い打ちをかけたのが、
「毎月の支払い10万円」という設定でした。

生活はそれなりに安定していました。
そしてリボ設定の事は忘れ、順調な仕事、家族との時間もある。だからこそ、カードの利用額が少し増えても支払い額が変わっていない事に「まあ、大丈夫だろう」と気にとめませんでした。

しかし、ある晩ふとWEB明細を開き、目を疑いました。

> リボ残高 約200万円。

 

その瞬間、背中に冷たいものが走りました。
「ちゃんと払っているつもりだったのに、元本が膨らんでいる」
毎月の支払いの中に紛れ込んだ“手数料”という名のコストと無関心が、静かに積み上がっていたのです。

 

家計の「見える化」から、夫婦のチーム戦へ

そこから、ようやく本気の家計再建が始まりました。

まず着手したのは、マネーフォワードによる支出の“見える化”です。
家賃、通信費、保険料といった固定費。
食費、日用品、外食、レジャーといった変動費。

一つひとつカテゴリーに落とし込み、「何に、いくら、なぜ使っているのか」を徹底的に洗い出しました。

このプロセスに、妻にも参加してもらいました。
「節約しよう」ではなく、
「どんなことにお金を使いたいか」「何を優先したいか」を、夫婦で共有する時間に変えていきました。

・使っていないサブスクの解約
・スマホ料金プランの見直し
・“なんとなく外食”を減らし、“選んだ外食”に切り替える

そんな小さな一手を積み重ねた結果、
家計は少しずつ引き締まり、毎月の支出は20万円を切る水準までコントロールできるようになりました。

数字が変わり始めると、気持ちも変わります。
「お金に流される側」から、「お金を選ぶ側」に、少しだけポジションを取り戻した感覚がありました。

 

保険見直しと、リボ完済というターニングポイント

次の勝負どころは、保険の見直しでした。

長年払い続けてきた「60歳払込」の貯蓄型生命保険。
これを、掛捨て型の就業不能保障保険へ切り替えるタイミングが来ました。

解約に伴い、まとまった返戻金が発生します。
このお金をどう使うか──ここで、僕は一つの決断をしました。

> 「この返戻金で、リボ残高をすべて完済する」

 

貯蓄の一部を手放す決断ではありましたが、
“高コストな負債”を消すことが、家計のリターンを最大化する近道だと考えたからです。

振り込んだあと、カードのリボ残高が「0円」と表示された画面を見たとき。
静かですが、確かな達成感がありました。
毎月の明細を見るたびに感じていた、あの重たいモヤモヤが、すっと消え去った瞬間でした。

 

思い通りにいかない現実も、人生の一部

ただ、物事はいつもきれいに進むわけではありません。

当初加入を予定していた通常の就業不能保障保険は、持病の影響で審査が非承認となりました。
代わりに選ぶことになったのは、保険料が約3倍に跳ね上がる「緩和型」の商品です。

家計の負担は増えます。
しかし一方で、「もしもの時に家族を守る」という視点で考えたとき、ここは引くべきではないラインでもありました。

コロナ後遺症が完全に落ち着けば、
改めて通常の保険への切り替えに再チャレンジするつもりです。

健康を取り戻すことは、もはや単なる“体調”の問題ではありません。
家計、保障、将来設計──そのすべてを整えるための、重要なピースだと痛感しています。
仕事以外にも、「治療に向き合う理由」がはっきりと一つ増えた感覚です。

 

手数料を払う側から、利息を受け取る側へ

これからは、
リボ手数料や分割手数料といった「見えないコスト」を積み上げるのではなく、
金融資産から生まれる利息を“複利”で積み上げる側に回りたいと思っています。

私の目標は、
本業で培ってきた賃貸不動産の知見を生かし、
いずれ自分自身の不動産投資へとつなげていくことです。

そのためにも、まずは足元の家計を盤石にすること。
・使うお金
・守るお金
・増やすお金

この3つのバランスを意識しながら、計画的に資産形成を進めていきたいと考えています。

 

ここが「終わり」ではなく、「始まり」

リボを完済した今、ようやくスタートラインに立てた感覚があります。

借金を返し終えたから終わり、ではなく、
“これからどう生きるか”を設計し直すフェーズに入ったのだと思います。

家計管理は、我慢の連続ではなく、
「自分と家族の価値観にお金をフィットさせていく作業」です。

数字と冷静に向き合いながら、
ときには家族と真剣に話し合い、
一歩ずつ、着実に。

ここから先は、
分割手数料ではなく「複利のチカラ」を味方に付けて、
本業である不動産の世界ともリンクさせながら、
自分たちなりの資産形成ストーリーを紡いでいきたいと思います。 

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JCB Lounge 京都レビュー2025年12月──京都駅直結の大人の隠れ家ラウンジ

インバウンドと紅葉シーズンの観光客でごった返す京都駅。
人の波、スーツケースの音、外国語が飛び交うコンコース。その喧騒を背に、私はひとつ深呼吸をして歩き出します。

仕事で京都駅近くのミッションを無事に終えたあと、私が向かう場所はいつも決まっています。
──「JCB Lounge 京都」。

ここは、ただの休憩スペースではありません。
ビジネスと旅、日常と非日常が静かに交差する、大人のための“スイッチングポイント”です。

今回は、この「JCB Lounge 京都」の利用体験をお伝えします。

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1.利用条件 ― ラウンジの扉を開く“鍵”

まずこの空間に足を踏み入れるためには、JCBゴールド・ザ・プレミア以上のクレジットカード。
これが、ラウンジの扉を開くための“鍵”です。

家族会員も同じように利用ができ、会員1名につき同伴者1名まで入場可能
大切なパートナーや家族と、京都駅の喧騒を離れて静かな時間を共有することもできます。

私が保有しているのは「JCBザ・クラス」。
家族カードの発行が無料のため、夫婦それぞれがカードを持ち、家族にとっても使い勝手の良い“拠点”になっています。

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2.ラウンジまでの道のり ― レッドカーペットが導く静寂

京都駅中央改札を出て、右手へと歩を進めます。
しばらくすると、視界に飛び込んでくるのは、劇場へと続くレッドカーペットのような赤い床

その赤い床は、まるで「ここから先は物語の舞台です」と告げるかのように、
京都劇場と「JCB Lounge 京都」へと続く2階フロアへ、私たちを静かに誘います。

赤い床をなぞるように歩いていくと、やがて階段とエスカレーターに到着します。

ラウンジの利用時間は10時〜18時
扉を開くと、柔らかな照明に包まれた空間の奥に、サービスカウンターが見えます。
受付にはスタッフが2名。笑顔と落ち着いた声で迎え入れてくれます。

ここでJCBカードを提示し、
無料ではありながらも、決済端末にカードを通してレシートを受け取リます。
“お金は動かないけれど、ステータスが機能している”ことを実感する瞬間です。もちろん、メタルカードでも入場出来ます。

11月末のこの日は、ちょうど劇団四季「赤毛のアン」終演直後
劇場帰りのお客さまと時間帯が重なり、ラウンジはかなりの混雑でしたが、
それでもどこか上品な空気感が保たれているのが印象的でした。

利用時間は1時間
それは、慌ただしい一日の中に、意図的につくる「余白」のような時間です。

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3.ラウンジでのひととき ― 1時間で、心をチューニングする

ラウンジ内はおおよそ20席ほど
1人用、2人用のテーブル席が整然と並び、ビジネスパーソンも観光客も、それぞれの“静かな時間”を過ごしています。

館内には、

  • 京都のガイドブック

  • 無料Wi-Fi

  • ソフトドリンクサービス

といった基本装備が整っています。トイレはラウンジ内には無く、ラウンジ入口奥にある駅ビルの施設を利用します。

ドリンクはワンドリンク制限なし
ホットドリンクはセルフで、冷たいドリンクは受付の方にお願いすると、席まで運んでいただけます。

さらに嬉しいのは、手荷物の一時預かりサービス
スーツケースや大きな荷物を預けて、
「身軽な自分」で京都の街や劇場に出ていける。
それだけで、行動の選択肢が一段広がります。

この日は、座り心地の良いソファーに深く腰を下ろし、カフェモカを味わいゆっくりと深呼吸。

耳を澄ませば、
控えめな音量で流れるBGM、
受付スタッフの落ち着いた声。

少し狭さはあるものの、外の喧騒とのコントラストが、心の静けさを際立たせてくれます。

ふと視線を落とし、スケジュール帳を眺めながら、今日こなしたタスク、これから向かう現場、
そして、次の一手をゆっくり整理していきます。

ただ座っているだけなのに、思考が整っていく。
それが、このラウンジの一番の価値かもしれません。

1時間の利用を終え、席を立つときには、
来たときよりも、少しだけ姿勢が伸びている自分に気づきます。

心と体をリセットし、
再び仕事のフィールドへと戻っていく──。

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京都駅という巨大ターミナルの中で、
「JCB Lounge 京都」は、知る人だけが使える大人の避難場所のような存在です。

単なる“無料サービス”としてではなく、
自分の一日のクオリティを一段引き上げるための、ラグジュアリーな投資先として、これからも賢く活用していきたいです。

2025年12月5日再訪