未来家計譚

高卒 ✕ 地方会社員でもできたリアル家計管理術

40代の断酒がもたらした5つの変化──健康・美容・家計・人間関係・自分自身

2024年10月。
私は、ある選択を迫られました。

コロナ後遺症の治療薬──その“相棒”との相性の問題で、それまで習慣になっていた酒を、断たなければならなかったのです。

正直に言えば、すぐに割り切れるほど私は強くありませんでした。毎晩の晩酌は、私にとって“日常”の一部だったから。代わりに手に取ったのは、ノンアルコールビール。喉ごし、香り、泡立ち──その完成度の高さに驚かされました。
けれど、やがてそれすら手放す時が来る。私は、炭酸水という“無垢な液体”へたどり着きました。

静かに始まった、しかし確かな変化

断酒がもたらした変化は、派手ではありませんでした。まず、飲み会の誘いが減った。ある種の孤独──けれど、不思議と心は穏やかでした。ほどなくして身体が応え始めます。顔のむくみが退き、肌の色艶が戻る。鏡の中の自分が、少しずつ若返っていく。健康診断の肝機能の数値も改善傾向に。数字は、嘘をつきません。

家計に走る「微細な追い風」

お金の流れも変わりました。酒代が消え、交際費も自然と圧縮。
私たちの家計は、実収入から税金・社会保険料(非消費支出)を引いた「可処分所得」の範囲で成り立ちます。つまり、自由に使えるお金には最初から限りがあるのです。だからこそ、消費支出の見直しは効果が出やすい。固定費の引き算は定番の一手ですが、嗜好品の“ささやかな習慣”を整えることも、同じくらいに効きます。

さらに言えば、酒には「酒税」という間接税が含まれています。買うたびに、気づかぬうちに税も一緒に払っていた──断酒は、その分の負担も薄くする選択でした。

結果として、手元に残るお金=可処分所得の“余白”が生まれる。ここで私が意識したのは、余白の使い方です。浮いたお金は、目的に応じて預金や資産形成へ回す──たとえば、定期預金のように“引き出さない代わりに利息で報いてくれる器”に一部を置く。商品は目的別に選ぶのが鉄則。家計を支える土台として、まずはシンプルな器からでいい。

もちろん、運用に進むなら「リスク=振れ幅」という現実から目を逸らせません。低リスクで高リターンだけをくれる商品は存在しない。自分の収入や家族構成、将来イベントに照らし、許容できる振れ幅の範囲で“増やす”を設計する──それが大人の投資です。

新しい「嗜み」が、会話をつなぐ

酒の抜けたスペースに、私は新しい“嗜み”を置きました。
珈琲、ナッツ、高カカオチョコ、ソイプロテイン。小袋に分けたナッツは、職場でのちょっとした“橋渡し”になる。テレワークの普及で働く景色が変わった今、オフィスの会話は以前より貴重です。健康的で機嫌のいい自分でいることは、仕事の質にも跳ね返ります。

それでも、最後は“選択”だ

ある日、YouTubeで耳にした言葉が、今も脳裏に残っています。

「酒は、一滴でも毒である。」

この一言が、私の行動を少しずつ変え始めました。
ただし、ここで強調したいのは、何を“毒”と見なし、何を“薬”とするかは、最終的に自分の価値観が決めるということ。社会保険は、病気やけが、失業、老後など人生のリスクに備えるための公的な仕組みですが、日々の選択の積み重ねも、同じく自分の生活を守る“もう一つの保険”になります。

「飲むか、飲まないか」──小さな分岐点のようでいて、実は大きなライフデザインの一部です。臨時収入に頼らず、臨時支出に備える。固定費を整え、習慣の支出を磨く。そんな一歩が、未来のキャッシュフローを静かに好転させていきます。

無垢を選ぶ勇気が、人生を整える

炭酸水の泡が、グラスの底からまっすぐに立ち上る。
その透明な軌跡を眺めながら、私は確信します。

“自分の選択が、未来をつくる”。

そしてその選択は、たいてい静かで、生活に馴染むものです。
今日も私は、無垢な一杯で、明日を整えていきます。

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