秋晴れの光が磨き上げたガラスに反射し、鴨川の静けさがそのままホテルの空気に溶け込んでいました。重厚でモダンな佇まいは、どこか張りつめた緊張感をまといます。しかし、そのハードルを越えた先には、日常がすっと遠のく“静謐”が待っています。
私がこの優美な空間に足を運べるのは、マリオット ボンヴォイ アメックス プレミアムカードを携え、ポイントという大義名分を得ているからです。過去には利用人生初のアフタヌーンティー、そしてジャズの生演奏に包まれたバー体験──どれも時間の密度を上げてくれる記憶になりました。
今回は、館内のイタリアン「ラ・ロカンダ」でコースランチのレビューをご紹介します。
予約は専用サイトからスムーズに手配できます。通常ランチコース「Bronzo」税込6,500円のところ、今回はオンライン予約限定で税込4,950円(平日限定)という嬉しいオファーでした。
ロビーラウンジを抜け、窓沿いの通路を進むと、静かに熱を帯びるダイニングへ。名前を告げると、バーと同じフロアの奥まったテーブルへ案内されます。薄暗がりの中、卓上だけがふわりと光を帯び、心が食事のモードに切り替わります。視線の先には、明治41年築・藤田伝三郎男爵の京都別邸「夷川邸(やかわてい)」の個室を移築した特別席。外資ホテルの洗練に、雅な“和”を呼び込む演出が見事です。
コースは、お茶菓子を含む全7品に、食後のコーヒーまたは紅茶が付きます。なかでも印象に残った3品をご紹介します。
1. 鮮魚のタルタル 黒米のサラダ 海藻ビネガー
皿一面が小さな景色のように美しく、思わず見入ってしまいます。きりりと効いた酸味が鯛の甘みを引き立て、海藻ビネガーのミネラル感が余韻を伸ばします。
2. 十勝ハーブ牛の炭火焼き 芋のヴァリエーション セロリと柑橘のソース
+税込3,850円で豚ローストからアップグレード。火入れは上品なレア。繊維がほろりと解け、炭の香りが旨味を包み込みます。芋の多彩な表現がテクスチャーに奥行きを与え、セロリと柑橘のソースが全体を軽やかにまとめます。
3. ホワイトコーヒームースとジェラート カカオチップス 熟成バルサミコ
香り高いコーヒームースの甘やかさに、カカオのほろ苦さ、熟成バルサミコの酸味が重なり、立体的な満足感をもたらします。デザートで“会話”が完結する、そんな印象です。
今回、マリオットのポイントは普段JALマイルからWAONへ変換して生活費に充当していますが、この日は温存していたポイントを投じ、実質無料で食事を楽しみました。高級ホテルの空間とサービスは、非日常へと心をワープさせ、明日へのエネルギーを静かに満たしてくれます。
実は、クレジットカードは2026年5月で解約、各種引き落としの切り替えは2026年からと決めていました。しかし、この体験に触れると、決意が少し揺らぎます。──ラグジュアリーは“浪費”ではなく、人生の解像度を上げる“投資”にもなり得る。そう確かめた一日でした。






