気がつけば、私の未来が、静かに金利に切り売りされていました。
分割払いやリボ払いという「後払いシステム」は、一見すると家計の負担を和らげてくれるスマートな仕組みに見えます。
しかしその実態は、ショッピングの予算感覚をじわじわと狂わせていく、かなり中毒性の高い“魔法”です。
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リボ200万円に気づいた夜
きっかけは、何気なく申し込んだポイントキャンペーンでした。
「今ならポイント◯倍」「リボ設定でさらにおトク」──よくある案内に背中を押されるように、深く考えずリボ払いを設定してしまったのです。
しかも追い打ちをかけたのが、
「毎月の支払い上限 10万円」という設定でした。
生活はそれなりに安定していました。
仕事も順調で、家族との時間もある。だからこそ、カードの利用額が少し増えても「まあ大丈夫だろう」と自分に言い聞かせていました。
しかし、ある晩ふと明細を開き、目を疑いました。
> リボ残高 約200万円。
その瞬間、背中に冷たいものが走りました。
「ちゃんと払っているつもりだったのに、元本はほとんど減っていない」
毎月の支払いの中に紛れ込んだ“手数料”という名のコストが、静かに積み上がっていたのです。
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家計の「見える化」から、夫婦のチーム戦へ
そこから、ようやく本気の家計再建が始まりました。
まず着手したのは、マネーフォワードによる支出の“見える化”です。
家賃、通信費、保険料といった固定費。
食費、日用品、外食、レジャーといった変動費。
一つひとつカテゴリーに落とし込み、「何に、いくら、なぜ使っているのか」を徹底的に洗い出しました。
このプロセスに、妻にも参加してもらいました。
「節約しよう」ではなく、
「どんなことにお金を使いたいか」「何を優先したいか」を、夫婦で共有する時間に変えていきました。
・使っていないサブスクの解約
・スマホ料金プランの見直し
・“なんとなく外食”を減らし、“選んだ外食”に切り替える
そんな小さな一手を積み重ねた結果、
家計は少しずつ引き締まり、毎月の支出は20万円を切る水準までコントロールできるようになりました。
数字が変わり始めると、気持ちも変わります。
「お金に流される側」から、「お金を選ぶ側」に、少しだけポジションを取り戻した感覚がありました。
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保険見直しと、リボ完済というターニングポイント
次の勝負どころは、保険の見直しでした。
長年払い続けてきた「60歳払込」の貯蓄型生命保険。
これを、掛捨て型の就業不能保障保険へ切り替えるタイミングが来ました。
解約に伴い、まとまった返戻金が発生します。
このお金をどう使うか──ここで、僕は一つの決断をしました。
> 「この返戻金で、リボ残高をすべて完済する」
貯蓄の一部を手放す決断ではありましたが、
“高コストな負債”を消すことが、家計のリターンを最大化する近道だと考えたからです。
振り込んだあと、カードのリボ残高が「0円」と表示された画面を見たとき。
静かですが、確かな達成感がありました。
毎月の明細を見るたびに感じていた、あの重たいモヤモヤが、すっと消え去った瞬間でした。
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思い通りにいかない現実も、人生の一部
ただ、物事はいつもきれいに進むわけではありません。
当初加入を予定していた通常の就業不能保障保険は、持病の影響で審査が非承認となりました。
代わりに選ぶことになったのは、保険料が約3倍に跳ね上がる「緩和型」の商品です。
家計の負担は増えます。
しかし一方で、「もしもの時に家族を守る」という視点で考えたとき、ここは引くべきではないラインでもありました。
コロナ後遺症が完全に落ち着けば、
改めて通常の保険への切り替えに再チャレンジするつもりです。
健康を取り戻すことは、もはや単なる“体調”の問題ではありません。
家計、保障、将来設計──そのすべてを整えるための、重要なピースだと痛感しています。
仕事以外にも、「治療に向き合う理由」がはっきりと一つ増えた感覚です。
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手数料を払う側から、利息を受け取る側へ
これからは、
リボ手数料や分割手数料といった「見えないコスト」を積み上げるのではなく、
金融資産から生まれる利息を“複利”で積み上げる側に回りたいと思っています。
私の目標は、
本業で培ってきた不動産の知見を生かし、
いずれ自分自身の不動産投資へとつなげていくことです。
そのためにも、まずは足元の家計を盤石にすること。
・使うお金
・守るお金
・増やすお金
この3つのバランスを意識しながら、計画的に資産形成を進めていきたいと考えています。
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ここが「終わり」ではなく、「始まり」
リボを完済した今、ようやくスタートラインに立てた感覚があります。
借金を返し終えたから終わり、ではなく、
“これからどう生きるか”を設計し直すフェーズに入ったのだと思います。
家計管理は、我慢の連続ではなく、
「自分と家族の価値観にお金をフィットさせていく作業」です。
数字と冷静に向き合いながら、
ときには家族と真剣に話し合い、
一歩ずつ、着実に。
ここから先は、
分割手数料ではなく「複利のチカラ」を味方に付けて、
本業である不動産の世界ともリンクさせながら、
自分たちなりの資産形成ストーリーを紡いでいきたいと思います。
