未来家計譚

高卒 ✕ 地方会社員でもできたリアル家計管理術

リッツカールトン京都「ザ・バー」──紅葉とジャズに包まれる夜

わざわざ打合せで使う場所ではない。
その“正しさ”は、私も理解していました。

それでも私は、マリオットボンヴォイ会員としてのポイント利用という甘美な誘惑に屈したのです。


合理性よりも、体験価値。


平凡な一日を、非凡な一夜へ変えてしまう力が、このホテルにはあります。

クライアントとの打合せ開始は18時。
この時間はロビーラウンジが使えないため、舞台は自然とバーへ移ります。

今回は、リッツカールトン京都の「ザ・バー」利用レビューをご紹介します。

バーの利用は17時からで、曜日によって閉店時間が変わります。
そして金曜日のこの日は、3回の生バンドによるジャズ演奏。それはBGMではなく、時間そのものを“格上げ”する演出でした。
ドレスコードはカジュアルエレガンス。
ただ、周囲を見渡せば、特に宿泊客と思われる外国人はそこまで気にしていない様子。
格式と自由が同居するこの空気感こそ、リッツの流儀なのかもしれません。

f:id:h1419010482:20251205224751j:image

f:id:h1419010482:20251205224912j:image

夕暮れのリッツカールトン京都は、紅葉と溶け合い、昼間よりも深い陰影をまといます。
入口までの通路はライトアップされ、入口脇にはクリスマスツリー。
秋の余韻と冬の気配が、同じフレームに収まる──その瞬間、季節が静かにひとつ先へ進むのを感じました。

自動扉を抜けると左手にコンシェルジュデスク。
右手の通路を進むと、縦格子の壁に阻まれます。

──しかし、それは“壁”ではありません。
壁一面が自動扉となっており、初見では入口が分からない仕掛け。
この小さな迷いが、むしろ心地よい。
ここから先は、日常のルールが通用しない領域です。
そう告げられているようでした。

f:id:h1419010482:20251205224941j:image

f:id:h1419010482:20251205224954j:image

f:id:h1419010482:20251205225005j:image

通路脇のソファでクライアントの到着を待ちます。
ソファテーブルには生花。
間接照明が浮かび上がらせる装飾壁。
そして、リッツカールトン特有の香り。
仕事のために来たはずなのに、
心の方が先に“別世界”へチェックインしてしまう。
そんな感覚がありました。

クライアントと合流し、通路正面突き当たりの受付へ。
イタリアンの「ラ・ロカンダ」と同じ入口のため、バー利用を告げると、スムーズに席へ案内されます。

18時からバーを利用する客はまだ少なく、
今回は一番奥のソファ席。
上着を預け、やや硬めのソファに身を委ねた瞬間、肩書きが少しだけ軽くなる気がしました。

目の前にはバーメニューとラウンジメニュー。
食事の提供も可能なようです。
今回は、つき出しで提供される驚くほど美味しいナッツと、2種のドライフルーツでお酒を楽しむことにしました。

f:id:h1419010482:20251205225643j:image

f:id:h1419010482:20251205225244j:image

やがて19時30分。
ジャズバンドの演奏が始まると、空間の温度が変わります。
その頃には宿泊客と思われる外国人が席を埋め、
バーは“夜の顔”を完成させていました。

仕事の話はほどほどに、プライベートの話が熱を帯びていきます。
そして不意に、ゴルフを始めるよう勧められました。
この場所は、商談の結論より、人間関係の余白を育てるのが上手い。
そう感じさせる瞬間でした。

帰りは席で会計を済ませ、演奏する生バンドを横目に受付で上着を受け取り解散。
最後の最後まで、時間のリズムを乱さない所作が続きます。

薄暗い店内と、計算された光の演出。
押し付けのない上質なサービス。

この場所は、
“打合せの効率”のためではなく、
“人生の密度”のために存在しているのかもしれません。

次は仕事ではなく、もっと大切な人と。
もっと守りたい夜のために。

私は、再訪を心に決めました。
静かに、しかし確信を持って。

f:id:h1419010482:20251205225726j:image

f:id:h1419010482:20251205225319j:image