インバウンドと紅葉シーズンの観光客でごった返す京都駅。
人の波、スーツケースの音、外国語が飛び交うコンコース。その喧騒を背に、私はひとつ深呼吸をして歩き出します。
仕事で京都駅近くのミッションを無事に終えたあと、私が向かう場所はいつも決まっています。
──「JCB Lounge 京都」。
ここは、ただの休憩スペースではありません。
ビジネスと旅、日常と非日常が静かに交差する、大人のための“スイッチングポイント”です。
今回は、この「JCB Lounge 京都」の利用体験をお伝えします。

1.利用条件 ― ラウンジの扉を開く“鍵”
まずこの空間に足を踏み入れるためには、JCBゴールド・ザ・プレミア以上のクレジットカード。
これが、ラウンジの扉を開くための“鍵”です。
家族会員も同じように利用ができ、会員1名につき同伴者1名まで入場可能。
大切なパートナーや家族と、京都駅の喧騒を離れて静かな時間を共有することもできます。
私が保有しているのは「JCBザ・クラス」。
家族カードの発行が無料のため、夫婦それぞれがカードを持ち、
「今日はどっちが先にラウンジで待つ?」
そんな会話が生まれるくらい、家族にとっても使い勝手の良い“拠点”になっています。

2.ラウンジまでの道のり ― レッドカーペットが導く静寂
京都駅中央改札を出て、右手へと歩を進めます。
しばらくすると、視界に飛び込んでくるのは、劇場へと続くレッドカーペットのような赤い床。
その赤い床は、まるで「ここから先は物語の舞台です」と告げるかのように、
京都劇場と「JCB Lounge 京都」へと続く2階フロアへ、私たちを静かに誘います。
赤い床をなぞるように歩いていくと、やがて階段とエスカレーターに到着します。
ラウンジの利用時間は10時〜18時。
扉を開くと、柔らかな照明に包まれた空間の奥に、サービスカウンターが見えます。
受付にはスタッフが2名。笑顔と落ち着いた声で迎え入れてくれます。
ここでJCBカードを提示し、
無料ではありながらも、決済端末にカードを通してレシートを受け取る。
“お金は動かないけれど、ステータスが機能している”ことを実感する瞬間です。
11月末のこの日は、ちょうど劇団四季「赤毛のアン」終演直後。
劇場帰りのお客さまと時間帯が重なり、ラウンジはかなりの混雑でしたが、
それでもどこか上品な空気感が保たれているのが印象的でした。
利用時間は1時間。
それは、慌ただしい一日の中に、意図的につくる「余白」のような時間です。



3.ラウンジでのひととき ― 1時間で、心をチューニングする
ラウンジ内はおおよそ20席ほど。
1人用、2人用のテーブル席が整然と並び、ビジネスパーソンも観光客も、それぞれの“静かな時間”を過ごしています。
館内には、
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京都のガイドブック
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無料Wi-Fi
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ソフトドリンクサービス
といった基本装備が整っています。
ドリンクはワンドリンク制限なし。
ホットドリンクはセルフで、冷たいドリンクは受付の方にお願いすると、席まで運んでいただけます。
さらに嬉しいのは、手荷物の一時預かりサービス。
スーツケースや大きな荷物を預けて、
「身軽な自分」で京都の街や劇場に出ていける。
それだけで、行動の選択肢が一段広がります。
この日は、座り心地の良いソファーに深く腰を下ろし、カフェモカを味わいゆっくりと深呼吸。
耳を澄ませば、
控えめな音量で流れるBGM、
受付スタッフの落ち着いた声。
少し狭さはあるものの、外の喧騒とのコントラストが、心の静けさを際立たせてくれます。
ふと視線を落とし、スケジュール帳を眺めながら、今日こなしたタスク、これから向かう現場、
そして、次の一手をゆっくり整理していきます。
ただ座っているだけなのに、思考が整っていく。
それが、このラウンジの一番の価値かもしれません。
1時間の利用を終え、席を立つときには、
来たときよりも、少しだけ姿勢が伸びている自分に気づきます。
心と体をリセットし、
再び仕事のフィールドへと戻っていく──。




京都駅という巨大ターミナルの中で、
「JCB Lounge 京都」は、知る人だけが使える大人の避難場所のような存在です。
単なる“無料サービス”としてではなく、
自分の一日のクオリティを一段引き上げるための、
小さなラグジュアリーな投資先として、これからも賢く活用していきたいと思います。
2025年12月5日再訪












































